ウルリケ・フェルカーによる、ネットグランドレースをより美しく作るための技法集です。
商品番号: 9999999999999
DIE GRAMMATIK DES TUELLS ( チュールレース技法集 )
販売価格: 9,500円 (税込) 送料別
著者: ウルリケ・フェルカー 著
言語: ドイツ語、英語
※ 本書は、母国語版原書です。
種類: ハードカバー 192 ページ
寸法: 22.5 × 22.5 ( cm )
ネットグランドレースは、特に 19 世紀に、図案と技法の両方において地域ごとに独自の形で、ヨーロッパ全土に普及した大変に魅力的なレースです。
ネットグランドレースの歴史的な展開・派生や地域ごとの特色の探求は過去にも行われてきました。しかし、そういったテーマは本書の課題ではありません。
19 世紀の当時、手工業ネットグランドレースは機械レースと激しい競争を繰り広げており、レースメーカーは、生計をたてるために短納期で制作することが求められました。一方、今日のレースメーカーには、美しい作品を作るために自分が納得するだけの時間をかける余裕があります。
本書では、従来の技法にとらわれずに、ネットグランドレースでより美しく作る技法を研究します。ネットグランドレース初心者レベルの知識があることが、前提になります。
「 序文;
( 前略 )
良く知られた古くからの言葉に、「 時は金なり 」 がありますが、これはボビンレースにはあてはまりません。むしろ逆です。しかし、19 世紀のレース職人 ( レースメーカー ) には、細部にこだわり、新しい表現技法を検討し、作りこんでゆくための余裕がありませんでした。
手本になる作品を与えられるだけで、思案を廻らすためのテクニック図もありません。たとえうまく表現するための解決策がわかっていても、それを実現するために必要な制作時間のゆとりすら無かったことでしょう。
当時のレース職人にとって、時間はお金に代えることができるものであり、まさに 「 時は金なり 」 でした。最優先すべきは、短納期でした。
手工業ネットグランドレースが全盛を迎えたまさにその時に、最初の機械レースの攻勢があり、以降価格低下圧力は強まり続けました。
いくつかの例外はあるにせよ、当時作られた多くのネットグランドレースは、あまり丁寧なものではありません。とは言っても、糸だけは細かったので、アラがほとんど目立たず、おそらく購入しても気がつかなかったことでしょう。
過去の経緯はともかくとして、これが、ネットグランドレースについて、改善の余地がある理由の一つです。
さらに今日では、19 世紀の頃より太い糸を用いていますので、より丁寧な作業が必要になりましたし、望ましくなりました。
そして、私たちは、生計をたてるためではなく、自分の趣味としてレースを織っています。私たちは、自分の作品を納得して制作したいと思います。つまり、私たちがレースをどう織るかは、効率を追求するあまり画一的に作ることを余儀なくされたレース職人の時代とは異なり、個々人が自由に自分の好みで決める選択の問題です。
一つ一つの織り方を決めるためには検討するための時間が必要です。するとこういう反論が聞こえてきます。「 でも、今までいつもこうしていたんです! 」
それはきれいに仕上がらない理由にはなりません。
単に今までそうしていたというだけで、見た目が悪いピコの評価が良くなることはありません。
改良を続けるものだけが、生き残れます。私は、ネットグランドレース改良のための提案をしたいと思います。そして、ネットグランドレースが、末長く続き、素晴らしいものであり続けることを願っています。
ウルリケ・フェルカー ( 原文:英語 ) 」
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